牧場主は牛乳をつめた缶を何本も車に積むと、自分の子供を乗せて町へ出発する。 途中で、近くの牧場から運んでくる牛乳缶を買い取り、車に載せてはまた走り出す。 家へ戻るころにはもう夜は明けている。 それから、食卓にでんと座って、セニョーラが用意しておいたトルティーヤとフリホル(黒豆)と白くて柔らかな生チーズを、黒くてホットなコーヒーを啜りながら頬張る。 こういう生活のリズムをくずさずに、毎日悠長に繰り返す。 時間が止まったような静かな田舎町である。
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