“レザーバック”は絶滅の危機に瀕しているため、産卵見学の人数を制限し撮影も一切禁止されている。
見学は夜8時から深夜にかけて ガイドが説明しながら案内。 単独での見学は禁止。
小学生になったつもりで、二列で真っ暗闇の浜をそろりそろりと行進する。
産卵場所に着いても先客がいるために、順番がなかなか回ってこない。
.........天空には無数の星が瞬き、打ち寄せる波の音が間断なく聞こえる.........
最高10人のグループで見る。 産卵は3人の生物学者が見守り、記録をとっている。
ガイドが赤外線ランプを照らすと、2メートル余りの巨大な海亀が後尾あたりから 真っ白な卵を一つ一つ産み落としているのが夜目にも映える。
亀類は2億5千万年前から営々と生き延びていて、恐竜とも共存していた生き物だが、今や、人間との闘いの中で 種の保存のために必死になっている。
数億年前に誕生した満天の星たちがこの亀の産卵を見守る。.
億年の時の流れを実感できる瞬間である。
サイズ:最大/ 2.4m、体重/ 600kg。 爬虫類ではナイル河のワニと並び最大。
特 徴:他の海亀と違い甲羅が固くなく、皮革のようにやわらかいので “レザーバックLeatherback” と呼ばれる。
また、この海亀は頭、手足、尾を甲羅の中に引っ込められない。 常時、スピーディーに泳ぎ回るためにそうなったという。
深度1000mまで潜水できる。 海中で泳ぐために前足はヒレのように大きく変形している。
産 卵:3〜4年に一回、1度に産む卵の数は110−120個だが そのうち受精卵は70個。 無精卵は小さい。
もともと陸に棲んでいた亀が、生活の場を海に求めたが、卵は陸地に埋める....という習性はそのまま。
主に南北大陸沖を浮遊し、同じ浜に戻ってきて産卵、詳しい生態はまだわかっていない。
*なお、世界で海亀は8種いるが、そのうち6種がコスタリカ海岸で産卵。
Playa Grandeでの産卵亀数:1988年/1367匹、1998年/117匹、1999年/230匹、と激減。
産卵亀数激減の原因 1.卵の乱獲(人間が食べる)。 2.網漁業で魚網や釣り針などに引っかかり死ぬ。
3.観光などによる環境の悪化。
レザーバック保護策 1.国立公園に指定し、警備員が常時巡回し監視する。
2.住民に観光資源としての重要性を認識させる(ガイドは元漁師)。
3.亀が産み落とした卵を 孵化場 に移して保護し、孵化まで見守る。そのためのボランティアが世界中からやってくる。
(炎天下24時間体制で監視するのだからこれはきつい。 若者のエネルギーと使命感がないとできないことだ。学生が多い。
そのときはビキニ姿のアメリカ人の若い学生が一人で見守っていた。ボランティアだとのこと。)
(ガイドの説明がつづいている............)
やりきれないのは.....日本人は鯨肉を食べる、鼈甲の櫛やメガネを重用する(Bekko という単語を知っている)、フカヒレを高級料理とする、という説明がある時で、黙って聞くしかない......
動物愛護国民とは見られていないのだ。
サメにいたっては、ヒレだけ買うので肉は捨てられると言われている。 日本人と中国人が買うので、サメ漁が盛んに行われている。
韓国船や台湾船による密漁も多いという。
先進国の食習慣が自然破壊につながるもう一つの例だ。
しかし、最近やっと そのサメの乱獲を制限する動きが出て来ている。 |